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2025年05月11日
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重要事項の説明とは…

2008年05月28日
不動産の売買契約に先立ち、宅地建物取引主任者から物件に対する重要事項説明が行なわれることをご存知のかたも多いでしょう。

不動産売買をめぐるトラブルに巻き込まれた人の話を聞くと、 「重要事項の説明を受けた記憶がない」 と答えるケースが実に多いのだそうです。ところが調べてみると、契約締結当時の重要事項説明書に 「説明を受けました」 というサインが残されていることが大半。
つまり、重要事項説明を受けなかったから記憶にないのではなく、説明を受けたけれどもそのこと自体を忘れてしまっている、というケースがほとんどのようです。

これは売買契約締結前に慌しく重要事項説明を聞いて、慣れない行為に対して極度に緊張していることも原因のひとつでしょう。

重要事項説明書の各項目ごとにポイントや注意事項をみてください。

ポイント1 不動産の表示など
ポイント2 法令に基づく制限など
ポイント3 道路・飲料水・ガス・電気
ポイント4 工事完了時における形状
ポイント5 売買代金に関する事項
ポイント6 契約の解除に関する事項
ポイント7 損害賠償
ポイント8 手付金等保全措置について
ポイント9  いちばん重要な部分は…



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ポイント 1 不動産の表示

2008年05月27日
■ 不動産の表示

売買対象不動産を特定するために必要な項目が記載されます。
所在、地番、地目、家屋番号など不動産特有の表示項目が出てくるため、何ら予備知識がないままに説明を受けるとチンプンカンプンになってしまうかも。公図や測量図などの図面と照らし合わせながら、納得できるまで説明を受けるようにしましょう。

地番はそれぞれの土地に対して付けられた固有の番号で、住居表示が実施されている区域における住所の表示とは異なります。
また、 「不動産の表示」 は基本的に登記簿に記載された内容が中心となりますが、これらが現況と異なる場合には、その相違事項についてもきちんと確認するようにして下さい。

初めてだと (たいていの買主は初めてですが) 分かりづらいのが、土地区画整理事業地内における 「仮換地」 の場合。

売買対象不動産として表示される土地 (従前の土地) と、実際に使用できる土地とが異なります。このようなときにも、しっかり理解できるまで十分な説明を受けてください。


■ 売主の表示

売主の住所や氏名などが説明されますが、不動産の売主は必ずしも登記簿に記載された所有者とは限りません。
登記簿上の所有者と売主とが異なる場合は、売主の権原 (権利の原因) について、それを証明する書類を確認します。


■ 第三者の占有

売買契約締結時において、売買対象の建物を第三者が占有しているケースもありますが、それが正当な権原 (賃貸借契約など) によるものなのかどうかを書面で確認するとともに、明渡しの有無やその段取りなどについても確認します。


■ 登記簿に記載された事項

ここでは文字どおり 「登記簿に記載された事項」 がそのまま転記されています。
あらかじめ印刷された書式などでも比較的大きめの記入欄を設けているのが通例ですが、ここへ単に 「登記簿参照」 とだけ記入して済ませてしまう不動産業者や宅地建物取引主任者が多いのも事実。ちょっと残念ですね。記入を省略することによって、不動産業者自身が問題点を見落としたり、説明の際にも不十分な内容で終わってしまう原因となりがちです


≪法令に基づく制限に関する事項・・・次ページへ

ポイント 2 法令に基づく制限

2008年05月26日
■ 法令に基づく制限の概要

まず都市計画法と建築基準法による制限の概要が説明されますが、いずれも普段は馴染みのない法令であり、なかなか理解しづらい部分でしょう。
多くの場合は 「重要事項説明書補足資料」 などに記載された制限内容の図表などを使いながら説明が進められます。

現況の建物が現行の法令に適合していない場合 (既存不適格建築物) 、
あるいは法令に違反して建築されている場合には、この欄の補足事項 (備考欄) にその旨が記載されますが、
そのときは金融機関による住宅ローン審査に影響を及ぼすこともあるので注意が必要です。

都市計画法による市街化調整区域内の土地の場合、
以前は 「既存宅地」 という制度があり、従前から建物が建っていれば同等の建物への建替えが可能でしたが、
平成13年5月18日の法改正で 「既存宅地」 制度が廃止されました。
建替えが可能かどうかは、原則として許可を受けるまで分かりません。

マンション購入の場合は、制限の内容をそれほど理解できなくても差し支えないこともありますが、
土地や一戸建購入の場合には、それぞれの制限内容を十分に理解する必要があります。
とはいえ、宅地建物取引主任者による説明では不十分な場合もあります。
とくに土地を購入して新たに建物を建築する予定の場合には、買主側の基本的な条件を明確にし、
それに適合する土地かどうかについて十分な確認をするようにしましょう。


■ その他の法令に基づく制限の概要

都市計画法・建築基準法以外の法令 (36種類が指定されています) による制限のうち、
対象不動産に適用される制限の概要が説明されます。
該当する法令がある場合は建築前の許可や届出に関する事項が多いため、十分に理解することが必要です。



≪道路や設備に関する事項・・・次ページへ

ポイント 3 道路・飲料水・ガス・電気

2008年05月25日
■ 敷地と道路の関係

接面道路の種類・幅員・接道長さなどが説明されます。
道路の種類や接道状況によっては、その敷地に建物を建築することができない (建築確認を取得できない) ので土地の利用に関して重要な部分です。

接面道路の幅員が4m (指定地域では6m) 未満の場合は、道路と敷地との境界線を後退 (セットバック) させなければならず、建築確認の対象面積もその分減少しますので、詳細に説明を受けることが必要です。


■ 私道の負担等に関する事項

私道の負担がある場合、その負担方法にはさまざまな形態があり、通行に関して問題を生じる場合もあるので注意が必要です。ときには毎月、維持管理のための負担金が徴収されるケースもあります。

対象不動産に私道の負担がないと、単に 「負担なし」 で説明を終わらせてしまう不動産業者もあるようですが、接面道路が私道なのにその負担や持分がないと、逆にやっかいな問題を生じることになりかねません。

このようなケースのときはその私道の通行に関する条件、上下水道・ガス管などの埋設に関する条件などを詳細に確認しておく必要があります。


■ 飲用水・ガス・電気の供給施設および排水施設の整備状況

既に各ライフラインの整備が終わっている場合 (中古物件の場合を含む) には、主に配管の状況が説明されますが、これから整備される場合には、その予定時期や負担金などについて詳細に確認します。
建売住宅などで水道設備を新設した場合、水道局等に対して分担金 (水道加入金) の納入が必要になることがあります。

この取り扱いは自治体によって違うものですが、本来は分担金が不要な地域の物件で当該名目の金銭を買主に要求する業者もまれに存在しますので困ったものです。
水道やガスなどの配管が他人の敷地を通って埋設されていたり、逆に対象物件の敷地に他人の配管が埋設されているケースも意外と多いものです。
これらの配管が近隣トラブルの原因となることもあるので、配管の位置などについても十分な説明を受けることが必要です。


≪工事完了時における形状に関する事項・・・次ページへ

ポイント 4 工事完了時における形状 

2008年05月24日
■ 工事完了時における形状・構造等

これは未完成物件の場合に該当する項目。完成済み新築住宅や中古住宅 (工事を伴わない場合) のときには説明が省略されます。

建物の建築工事や増改築工事、あるいは土地造成工事などを前提とする売買で、その工事が契約締結時点で完了していない場合には、図面や資料を用いて詳細に説明されることになります。なお、新築物件の場合には完成済みであっても、 (重要事項説明とは別途に) 建物について念入りな説明がされることが多いことでしょう。


■ 一棟の建物またはその敷地の管理・使用に関する事項

これは区分所有建物 (マンション) の場合にのみ該当する部分。共用部分に関する項目、専有部分に関する項目、専用使用権に関する項目、管理に関する項目など説明内容は多岐にわたっています。

説明を受けるほうも内容を整理しながら聞いていないと、共用部分のことなのか専有部分のことなのか、混乱する場合もあるようです。

分かりづらいのが 「専用使用権に関する規約等の定め」 という項目。ここではマンション全体の中での 「専用使用権に関する定め」 が説明されるため、売買の対象住戸とは関係のない権利 (専用使用権) も記載されています。したがって、その中で実際に購入者が使用できるものとそうでないものとを分けて理解する必要があります。

なお、各住戸に付属するバルコニーなども共用部分であり、普段そのバルコニーを使用する権利もこの専用使用権に該当します。

計画修繕積立金や管理費に関する項目では、売主による滞納がないのか、もしあった場合にはどのように処理されるのかを確認します。

また、計画修繕積立金の積立額にも要注意。今後の大規模修繕計画などに対して積立額が少ない場合には、その工事実施時期にあわせ、
特別に工事負担金を徴収される可能性もあります。

「管理の委託先等」 という項目では、管理形態として、全部委託管理、一部委託管理、自主管理のいずれかを説明されるだけのケースも多いようですが、できる限り管理員の勤務時間、勤務曜日その他について詳細な説明を受けたいところですね。

また、最近では共用部分および専有部分 (売買対象住戸) における過去の修繕の履歴や、今後の修繕計画なども分かる範囲で説明されることになっています。



≪売買代金に関する事項・・・次ページへ
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